the Aggressive Girl

「よーし。パーティー開くよーーっ!!」
 と、いうわけで、古株一区メンバーは張り切っているのだ。色々ゲームとか考えたり、料理とかがんばっているのだ。
 わたしはもちろん料理。皆で頑張っているけど、ぶっつけ今夜はむちゃか。
 よし。まずは好きなものを二人にリクエストしてもらわないと。
 まずははなさんに電話をかけた。

「はなさーん。好きな食べ物なーにー?」
『好きな食べ物?そうね、アップルパイとか』
「ふーん。じゃーねー」アップルパイか。めんどくしぇ。

the Abandoned Boy

 電話が鳴った。開くと、『左はじの、上から3番目の四角いボタンを押してください』と流れた。押した。
猫宮につながった。

the Aggressive Girl

「りゅーうー。好きな食べ物なーにーぃ?」
『そんなもん無い。』え?
「だーかーらーっ、好きな食べ物ー」
『無い。』
「じゃあ、いま食べたい物」
『無い。』
「これだけはやめてほしい食べ物」
『ケシカス。』あ?
「冗談じゃなくてっ」
『は?』
「大体ケシカスなんて食べもんじゃないじゃん」怒ってきた。
『ああ。』
「何?その『ああ』って。だいたい単語だけって何よ。
馬鹿にしてんの?言葉のつなげかた、教わんなかったの?」
『ああ。教わってない。』むっかーー
「もぅ知らなぁぁい」切ってやった。

the Abandoned Boy

 また逆切れされた。よくわからん。というか、分かりたくも無い。でも分かったことは、ムダに元気で、アホで短気。うざい。
 つーかあそこで『ああ』と言って何がおかしい。何故怒られなければならない。

 

the Aggressive Girl

 パンパカパーン!新入生歓迎パーティー!!
 というわけで、『自己紹介は済んだので、早速仲良しになろーパーティー』が始まった。
 ってぇ、もうはなさんは馴染んでるし。りゅーはというと壁に寄りかかって一人でいる。あれれ様参戦!
「りゅーってひとごみ嫌い?」かわいく質問してみた。
「嫌い。で?」冷たく返された。
「友達になろーよう」怒るのはガマン。
「何故。」うーん、ムカつく。
「なぜって、友達は多い方がいいじゃない」
「ふうん。」聞き流さないでよ。話聞いてよ。
「寂しくないの?」
「知らない」話がかみ合わない。自分の事なのに知らないってなにさ。
「自分の事でしょ?どうして知らないのよ」また失敗。キレてしまった。りゅーはわたしを挑発している?


 相変わらずりゅーは壁に寄りかかったままで食べようともしない。
「りゅーうー、何か食べないの?」
「いらない。」
「だーめっ、そんな事してると体コワスよ?」
「もう壊れてる。」相変わらず無表情。言葉の意味が分からない。
「王女命令よ!食べなさい!」怒った。
 食パンを3切れぶっ刺したチーズフォンデュを押し込んでやった。

the Abandoned Boy

 ……・熱い。熱いのは嫌い。あいつも嫌い。五月蝿い。

the Insightful Boy

 あれれちゃんも不器用だねぇ。ここまで不器っちょな女の子だとは思わなかった。
 ん?じゃあお前がやればいいって?僕はあれれちゃんのお手伝いしかできない。
 氷を融かすことができるのは太陽の力を持つあれれちゃんだけだから。

the Aggressive Girl

「でなでなでなっ」ゲームコーナーでライトが騒ぐ。
 ライトって言うのは雷川雷斗くんのこと。わたしと旭ちゃんの後輩で、小3。
「目ェつぶってても赤とか青とか分かる人がいるんだってさー」
「さっすがー一区切ってのメカヲタ!ネットもできんのな」男勝りなタマがからかう。
 タマは玉子さんのことで、ライトの下宿先のガサツな姉御。

「ちなみに、、、俺はわかりませんでしたあーー」ライトがけらけら笑う。
「僕は判ると思うな」旭ちゃんがにこにこと乱入。レア。
「じゃあ分からなかったら千円くれな?」ライト、ちゃっかり者め。
「いいよ」
 げ。旭ちゃんてば絶対断ると思ってたのに。どんだけ自信があるのよ。
「じゃあ全員でやろうよ。他に誰かいるかもしれないし」
 にこにこと提案する。アテがあるんだろうか。
「じゃあ、いなかったらもう千円な?」またきた。
「いいよ。いたら二千円ね」
 旭ちゃんが切り返す。旭ちゃんは頭がいいのだ。
「なななんで!!!」ライトが絶句する。
「僕を金づるにしようとしたよね?今」じりじり責める。無防備そうな笑顔で言うからまたコワい。
「年上を甘くみちゃいけないよ」
 年上って一歳しか違ってないからね。

 

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